Pendulum Dependence

ペンデュラム依存症患者による気紛れ更新遊戯王ブログ。主に手元のテーマについて垂れ流します。偶に推しの事書くかも。

現代チェーン理論

本日《天霆號アーゼウス》のチェーンに関する裁定が出たらしいのでとあるルールについて書き散らしますJonny.B.Goodです。

 

遊戯王でパニック起こす人続出のチェーン処理…の前段階、チェーンを積み上げることについての理論ですよ。積み上げて幸せになろう。

チェーン処理なんて積み上げたあとに順に処理するだけなんで話すほどでもございません。

実際問題になるのはチェーン処理ではなくチェーンの積み方。
優先権とか絡んでくるのでそこがややこしいわけですよね。
まぁ優先権も実は大したことないんですけど。
なので今回は優先権については触れません。また別で書きます。

 

てなわけで本題。
今回の事の発端はこれ。

 

【天霆號アーゼウス】

同一チェーン上で2回以上発動できる#遊戯王 pic.twitter.com/6Y5glYztYa

— kさん@遊戯王垢 (@ken_ocg) 2020年8月17日

 

 


《天霆號アーゼウス》の頭の悪い効果には名称ターン1どころか個体ターン1もない上フリーチェーン化け物め。
つまりテキストを見る限り素材が4つ以上あれば


チェーン1:《天霆號アーゼウス》
チェーン2:《無限泡影》
チェーン3:《天霆號アーゼウス》

 

とチェーンが組めると読めます。
てか実際そのとおりでした。

つまり素材4つで1妨害すり抜けますね。

 

因みに私は【無限起動】から先攻1ターンや後攻メイン1から《天霆號アーゼウス》を立てようとします。メイン2《天霆號アーゼウス》は浅い。殴って《天霆號アーゼウス》じゃない。《天霆號アーゼウス》から殴るのだ。

 

閑話休題
一方で《フォーミュラ・シンクロン》は同じように相手ターンにフリーチェーンでS召喚するという回数制限なしの効果を持っています。
なのに同一チェーンで発動できません。
何が原因でそうなっているのか、勝手に考えるのがこの理論です。

 

まず今回考えるターン1のない誘発効果・誘発即時効果を持つカードたちと該当効果を列挙。カード名の後ろに可・不可でチェーン可能かを記載します。

 

《天霆號アーゼウス》(可)

このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。このカード以外のフィールドのカードを全て墓地へ送る。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《妖精伝姫-シラユキ》(可)

このカードが墓地に存在する場合、自分の手札・フィールド・墓地からこのカード以外のカード7枚を除外して発動できる。このカードを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《ホルスの黒炎竜 LV8》(可)

このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
魔法カードの発動を無効にし破壊する事ができる。

 

《フォーミュラ・シンクロン》(不可)

相手メインフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドのモンスターをS素材としてS召喚する。

 

《十二獣ヴァイパー》(不可)

自分フィールドの獣戦士族Xモンスター1体を対象として発動できる。自分の手札・フィールドのこのカードをそのモンスターの下に重ねてX素材とする。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

《霞の谷の巨神鳥》(不可)

魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、自分フィールドの「ミスト・バレー」カード1枚を対象として発動できる。その自分の「ミスト・バレー」カードを持ち主の手札に戻し、その発動を無効にし破壊する。

 

《召命の神弓-アポロウーサ》(不可)

相手がモンスターの効果を発動した時に発動できる。このカードの攻撃力を800ダウンし、その発動を無効にする。

 

光と闇の竜》(不可)

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にする。この効果でカードの発動を無効にする度に、このカードの攻撃力と守備力は500ポイントダウンする。

 

《励輝士 ヴェルズビュート》(不可)

自分メインフェイズまたは相手バトルフェイズに、相手の手札・フィールドのカードを合計した数が自分の手札・フィールドのカードを合計した数より多い場合、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。このカード以外のフィールドのカードを全て破壊する。この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは0になる。

 

《煉獄の騎士 ヴァトライムス》(不可)

このカードのX素材を1つ取り除き、手札を1枚捨てて発動できる。光属性の「テラナイト」Xモンスター1体を、自分フィールドのこのカードの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はモンスターをX召喚できない。自分の墓地に「テラナイト」モンスターが7種類以上存在する場合、この効果は相手ターンでも発動できる。 

 

では理論展開。

 

可能不可能にはどうやら規則があるようです。

可能:①コストがある・②特定の種類のカードの効果にのみ反応する

不可能:③コストがない・④自身のステータスを変動する効果である・⑤発動後の制約がある

見る限りではこんなところかと。

不可能に該当する部分があるとコストがあっても不可能になるように感じます。あくまで傾向ですが。

 

 

まずは①に該当する《天霆號アーゼウス》《妖精伝姫-シラユキ》。こちらは同一チェーン可能です。

これらの効果には有限のコストが付いて回ります。

つまり、テキスト上では回数制限はないものの、事実上の回数上限があるわけです。

この類はそもそもコストの都合で無限に積めないので制限する必要がないのもまぁ順当ですよね。

後述しますが、①と②は理論上スペルスピード2で妨害できる効果です。つまり複数回積めても隙があるのです。

 

そして②に該当する《ホルスの黒炎竜 LV8》。

こちらは①と違いノーコストですが、魔法、しかもカードの発動にしか反応しません。類例にコストがあるため①とも判断できるものですが『ナチュル』に3体存在し、何れも複数チェーンが可能です。

 

そして③に該当する《フォーミュラ・シンクロン》《十二獣ヴァイパー》《霞の谷の巨神鳥》。

これらは発動宣言と対象決めるだけなのでテキスト通りだと無限に積めます。

《霞の谷の巨神鳥》は自分のカードの効果にも無効効果を打てる上自身を対象とも言えてしまうので実質無限です。まぁコイツに至ってはテキストで1回と書かれているわけですがね。

それに、ここについては無限チェーンを許すと、無効効果にチェーンして同じ効果を発動することができるので、基本的にカウンター罠でしか防げない効果になってしまいます。『ヴァレル』のチェーン不可効果等でチェーン自体は無理矢理止めることもできはしますが、《ヴァレルエンド・ドラゴン》でもなければこの場合効果は止まりません。①の場合との違いはここにあります。

①であれば何度か妨害を投げれば止めることも不可能ではありませんし、②は対応外のカードで対処可能です。でもこっちはその上から際限なく効果を打てるから止まらない。そのあたりの都合で不可となっているのでしょう。

無限《フォーミュラ・シンクロン》と無限《霞の谷の巨神鳥》が衝突したら一方が諦めない限り決着付きませんしね。

 

次は④に該当する《召命の神弓-アポロウーサ》《光と闇の竜》。

これは《あまのじゃくの呪い》との兼ね合いでしょう。《召命の神弓-アポロウーサ》はモンスターに、《光と闇の竜》に至っては何に対しても無限妨害となってしまいますからね。しかも打点が上がり続ける。そりゃ回数止められます。そうでなくともこのテキスト、自身の効果にも反応しそうです。制御の利かない無限チェーンになりそうです。ダメ、ゼッタイ。

 

で、次に行こうかと思ったら異端児《剛鬼ザ・ジャイアント・オーガ》がいました。

この手のやつ見ると毎回忘れられてるジャイアントオーガくんについても解説されてたら嬉しい(同一チェーンで発動できる裁定持ち) pic.twitter.com/aFpUjbi3wp

— 皇セルス (@Sumeragi_Serusu) 2020年8月17日

 (全く把握してなかった情報でした。ありがとうございます。)

自身か自身のリンク先のモンスターを対象にする相手の効果を攻撃力500と引き換えに発動を無効にする効果…それでいて同一チェーン発動可能という裁定。やっていることは《召命の神弓-アポロウーサ》と同じ…

裁定違いの要因として思いつくところではこちらは対象を取るものにのみ対応できる点でしょうか。つまり②に近い性質を持っているのです。《召命の神弓-アポロウーサ》や《光と闇の竜》は対象を取ろうが取るまいが関係なく反応できます。なのでこの点が裁定の違いに影響しているのでしょう。反応できる効果に「対象を取る」といった条件が追加されているものは同一チェーンで使えるのかもしれません。この裁定には類例が見つからないので(あるのかもしれませんが)何とも言えません。可能性の話になります。何にでも使えるから《召命の神弓-アポロウーサ》等は制限されたのでしょう。

 

※2020/8/21 追記

何と「この記事公開の翌日に《剛鬼ザ・ジャイアント・オーガ》の裁定が変わっている(可能→不可能)」との情報を皇セルス (@Sumeragi_Serusu)さんよりいただきました。

つまり④については現在例外のない状態(いうて3例だけですが)ですので確定と言っていいのではないでしょうか。

《天霆號アーゼウス》登場を機に同一チェーンの裁定をまとめた可能性もありますね。てことはわりとここの内容ドンピシャなのでは…?

 

最後は⑤に該当する《励輝士 ヴェルズビュート》《煉獄の騎士 ヴァトライムス》。

これらは発動コストがあるため①のように回数上限が存在するタイプですが、効果の発動後にダメージ0やX召喚不可の制約がかかります。

おそらくこの発動後の制約が可否を決めていると思われます。

ただし、同一個体がチェーンを組む場合に限ります。

私愛用の【天気】にも似た制約があるのですが、別個体なので同一効果のチェーンができます。公式回答も別個体であれば同一チェーンブロック内で各1回ずつ発動可能とありました。

この別個体であれば可というのは次の理論から外れているのでかなり困ったのですが、ひとまず読んでってください。次の理論も一応理屈は通っているはずですので。

これらの効果を発動してチェーンを積んでいる最中は、これらの効果に発動無効効果をチェーンされてもチェーンを積んでいるうちはまだ発動は無効になっていません。つまり処理するまでは発動している状態です。(これ結構理解大変だと思います。)

例として、

チェーン1:《煉獄の騎士 ヴァトライムス》

チェーン2:何か(何でもいい、発動無効効果でもいい)

チェーン3:《煉獄の騎士 ヴァトライムス》

とすると、チェーン3でX召喚しますが、既にこの時はチェーン1の発動後です。発動後許されていないX召喚をしてしまいました。条例違反です。

チェーン2が発動無効効果だったとしてもチェーン3の処理段階ではまだ発動は無効にはなっていません。条例違反です。

チェーンを積んでいる最中は発動後の制約がかかるか未確定の状態(発動無効効果を無効にした場合有効になるので)ですので、(《励輝士 ヴェルズビュート》の制約については怪しいところですが)発動後の制約が生きているものとして使えないというところでしょう。

 

とか書いてたところで、多分これ単騎では制約違反はできない、つまり他の個体のせいでできなくなるのは問題なしと解釈すると解決しました。

別個体の制約にかかるのであれば『お前も使ってたのかよ被っちゃったよ』で打ち合わせ不足の事故として処理できますね。単騎で違反したら確信犯ですから。ここだけ理論ガバガバですが。

 

《励輝士 ヴェルズビュート》については発動後の制約の種類で裁定揺れの無いようにしたのかなとも思います。単に特殊裁定ってやつかもですがです。てか、海外では《励輝士 ヴェルズビュート》のテキストにチェーン1回のみと明記されてるんですね。明記パターンで⑤からは外れるのかもしれません。⑤を理由にできないってことを海外で書いてるのかもしれませんが。

 

 

以上のことから、名称ターン1どころか個体ターン1もない上フリーチェーン効果の同一チェーン発動可否には、

 

可能:①コストがある・②特定の種類のカードの効果にのみ反応する

不可能:③コストがない・④自身のステータスを変動する効果である(反応する効果に対象の有無を問わない)・⑤発動後の制約がある

 

 

というルールがあるものと思われます。(あくまで推測であり、公式が明言しない以上正しいかは分かりません。)

 

ここまで考えてみて、意外と理屈の通ったルールで決まっているんやなぁ…とか思います。

あまり類似効果が思いつかないのですが、おそらくはこのルールないしは近いルールに則って裁定を出してるんじゃないでしょうか。

では次にこんなの書くときは優先権についてでも書きましょうかね。

 

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