公式DBの民間デバッガー、Jonny.B.Goodです。
今回は手札のとあるカード達のお話。
皆さんも聞いたことはあるでしょう。
手札の《アストログラフ・マジシャン》と《クロノグラフ・マジシャン》は同一チェーンで効果を発動できない。
というルールを。
どちらも手札から自身を特殊召喚する効果であり、これらは同一チェーンで複数使えない、というのは最近浸透してきたものかと思います。『炎王』とか出ましたし。
しかし知ってますでしょうか?
相手フィールドにモンスターが居る状況で《天獄の王》と《深淵の獣マグナムート》は同一チェーンで発動可能だということを…
てことで、今回はこの辺のルールについての講座であります。
では開講。
まず基本のルールを出しちゃいます。
「手札から自身を特殊召喚することができる誘発効果」は同一チェーンで1つしか発動できない。
公式から明文化されているわけではないので独自の書き方ですがこれに全て詰まってます。基本はこれ覚えてればいいです。
ここで重要なのは「誘発効果」は同一チェーンで1つしか発動できない、ということです。
先に紹介した《アストログラフ・マジシャン》と《クロノグラフ・マジシャン》の例では、どちらも「自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊される」ことをトリガーとする誘発効果です。
これは上記のルールに該当するため一度のトリガーでどちらかしか発動できません。
では一方で《天獄の王》と《深淵の獣マグナムート》の場合はどうでしょう。
《天獄の王》は「セットされていた魔法罠の発動」をトリガーとする誘発効果で、《深淵の獣マグナムート》は相手フィールドにモンスターがいる場合に限りますが、いつでも発動可能な誘発即時効果です。
この場合は《深淵の獣マグナムート》が上記のルールに該当しないので双方ともに発動が可能になります。
勿論、《深淵の獣マグナムート》と《深淵の獣サロニール》であっても、どちらも誘発即時効果となるのでこれも双方発動可能です。
以下に有名所がどちらなのかまとめておきます
誘発効果
- 《天獄の王》
- 《アストログラフ・マジシャン》
- 《クロノグラフ・マジシャン》
- 《オルターガイスト・マルチフェイカー》
- 《オルターガイスト・マルウィスプ》
- 《マシンナーズ・アンクラスペア》
- 《炎王獣 バロン》
- 《幻創龍ファンタズメイ》
- 《雙極の破械神》
- 《PSYフレームギア・α》
誘発即時効果
- 《深淵の獣マグナムート》(相手フィールドにモンスターが存在する場合)
- 《迷宮城の白銀姫》
- 《炎王神獣 キリン》
- 《VS 龍帝ヴァリウス》
- 《超越竜メテオロス》(相手ターンのみ)
- 《原子生命態ニビル》
- 《外法の騎士》
- 《妖眼の相剣師》
- 《ベアルクティ-ミクポーラ》
- 《PSYフレームギア・γ》
ここにも挙げましたが、『PSYフレームギア』はちょっとややこしいです。
それぞれ召喚や攻撃、効果の発動に反応して発動され、特殊召喚の部分は全く同じ効果ですが、《PSYフレームギア・α》《PSYフレームギア・β》は誘発効果、《PSYフレームギア・γ》《PSYフレームギア・δ》《PSYフレームギア・ε》は誘発即時効果です。
なので複数枚手札に持っていても《PSYフレームギア・α》は同一チェーンで発動できませんが、《PSYフレームギア・δ》は同一チェーン上でも相手が魔法をチェーンしたら複数枚発動ができます。
はい、ここまでが基本編。
そしてさっそく応用編の開始です。
自分の手札に《炎王獣 キリン》、墓地に《聖炎王 ガルドニクス》が存在し、自分フィールドの『炎王』モンスター(炎属性)が破壊された場合どうなるでしょうか。
《炎王獣 キリン》《聖炎王 ガルドニクス》ともに自身を特殊召喚する効果の発動トリガーは満たしました。
これ、どちらかしか発動できないんです。
《炎王獣 キリン》は先ほどから挙がっている手札から自身を特殊召喚する誘発効果です。
一方、《聖炎王 ガルドニクス》は手札・墓地にいる場合にその場から自身を特殊召喚する誘発効果です。
一見墓地での誘発効果で最初の基本ルールに該当しないようにも見えますが、実はモロ該当パターンの効果です。
再度基本ルールを見てみましょう。
「手札から自身を特殊召喚することができる誘発効果」は同一チェーンで1つしか発動できない。
そして《聖炎王 ガルドニクス》の効果がこちら。
①:このカードが手札・墓地に存在し、元々の属性が炎属性となる自分のモンスターが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを特殊召喚する。
よく見てください。
この効果、自身が手札にある場合は手札で発動する、「手札から自身を特殊召喚する誘発効果」です。
「墓地から自身を特殊召喚することができる誘発効果」であり「手札から自身を特殊召喚することができる誘発効果」でもあります。
つまり発動できる場所が手札以外にもあるだけで「手札から自身を特殊召喚することができる誘発効果」なんです。
なのでこのパターンではどちらかの効果しか発動できないことになるわけです。
基本ルールにも「手札で発動する」なんて書いてないので発動場所は全くどうでもいいんです。まぁそんな抜け道潰すようにわっちが書いてるだけなんですが。
更に発展形。
《聖炎王 ガルドニクス》と《ブラック・ホール・ドラゴン》が墓地に存在し、自分フィールドの『炎王』モンスター(炎属性)が《ブラック・ホール》で破壊されました。
はい、これもう分かりますね。
《聖炎王 ガルドニクス》は先述の通り、《ブラック・ホール・ドラゴン》は発動条件こそ多少異なるものの、効果自体は手札・墓地にいる時に発動し、自身を特殊召喚するもの。
どちらも「手札から自身を特殊召喚することができる誘発効果」であるので双方ともに墓地からであろうとどちらかしか発動できません。
ということで手札から自身を特殊召喚する効果のあれやこれやについて説明しました。
最後にもう一度基本ルールを。
「手札から自身を特殊召喚することができる誘発効果」は同一チェーンで1つしか発動できない。
これだけ覚えておけば何とかなります。
ん?何故このルールが存在するのかって?
そんなん知らん。存在する理由がないのにあるんだ。受け入れよ。